鶴友会クラブ活動ガイドライン

Ⅰ 本方針策定の趣旨

 部活動については、スポーツや文化及び科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものであるところ、学校法人川村学園及びその設置する川村中学校・川村高等学校(以下「本校」という。)においても、「鶴友会クラブ活動」(以下、「クラブ」という。)という名称にて学芸部活動及び運動部活動を別表1のとおり設置し、「感謝の心」を基盤に豊かな人間性を育てる教育を実践している。

 しかしながら、昨今、部活動をめぐっては、休養日や活動時間を適切に設定するなど生徒のバランスのとれた生活や成長への配慮や、教員の勤務負担軽減の観点の考慮等、その在り方に関し、全国的に様々な議論があるところ、平成30年3月にスポーツ庁より「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」が、平成30年12月に文化庁より「文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」が、それぞれ策定された。

 これを受け本校においても、右ガイドラインに則り、「鶴友会クラブ活動ガイドライン」(以下「本ガイドライン」という。)をここに策定する。


Ⅱ 適切な運営のための体制整備

(1)鶴友会クラブ活動の方針の策定等

  1. 本校は、本ガイドラインに則り、クラブの活動時間及び休養日の設定その他適切なクラブ活動の取組に関する方針を以下のとおり策定する。
  2. 各クラブの責任者である教員(以下「顧問」という。)は、年間の活動計画(活動日、休養日及び参加予定大会日程等)並びに毎月の活動計画及び活動実績(活動日時・場所、休養日及び大会参加日等)を作成し、校長に提出する。
  3. 校長は、上記イの活動方針等を本校のホームページへの掲載等により公表する。

(2)指導・運営に係る体制の構築

  1. 校長は、生徒数、顧問・指導員(以下「コーチ」という。)の配置状況を踏まえ、指導内容の充実、生徒の安全の確保、教員の長時間勤務の解消等の観点から円滑に持続可能な活動ができるよう、適正な数のクラブを設置する(顧問及びコーチの配置状況については、別表1を参照のこと)。
  2. 本校は、コーチの任用・配置に当たって、学校教育について理解し、適切な指導を行うために、クラブ活動の位置付け、教育的意義、生徒の発達の段階に応じた科学的な指導、安全の確保や事故発生後の対応を適切に行うこと、生徒の人格を傷つける言動や、体罰は、いかなる場合も許されないこと、服務(校長の監督を受けることや生徒、保護者等の信頼を損ねるような行為の禁止等)を遵守すること等に関し、適宜、指導・是正を行う等、その運用を徹底する。
  3. 校長は、顧問の決定に当たっては、校務全体の効率的・効果的な実施に鑑み、教師の他の校務分掌や、コーチの配置状況を勘案した上で行うなど、適切な校務分掌となるよう留意するとともに、学校全体としての適切な指導、運営及び管理に係る体制の構築を図る。なお、経験がなくクラブ活動の指導に必要な技能を備えていない教員等が顧問を担わなければならない場合には過度な負担とならないよう留意する。
  4. 校長は、毎月の活動計画及び活動実績の確認等により、各クラブの活動内容を把握し、生徒が安全に芸術文化活動、スポーツ活動を行い、教員の負担が過度とならないよう持続可能な運営体制が整えられているか等について、適宜、指導・是正を行う。
  5. 本校は、各クラブの顧問、コーチを対象とする指導に係る知識及び実技の質の向上並びに学校の管理職を対象とするクラブ活動の適切な運営に係る実効性の確保を図るための研修等の取組を行う。
  6. 校長は、教員のクラブ活動への関与について、「学校における働き方改革に関する緊急対策(平成29年12月26日文部科学大臣決定)」及び「学校における働き方改革に関する緊急対策の策定並びに学校における業務改善及び勤務時間管理等に係る取組の徹底について(平成30年2月9日付け29文科初第1437号)」を踏まえ、法令に則り、業務改善及び勤務時間管理等を行う。

Ⅲ 合理的でかつ効率的・効果的な活動の推進のための取組

(1)適切な指導の実施

  1. 校長及び顧問並びにコーチは、クラブ活動の実施に当たっては、生徒の心身の健康管理(障害・外傷の予防やバランスのとれた学校生活への配慮等を含む)、事故防止(活動場所における施設・設備の点検や活動における安全対策等)及び体罰・ハラスメントの根絶を徹底する。本校は、これらの取組が徹底されるよう、学校保健安全法等も踏まえ、適宜、支援及び指導・是正を行う。
  2. 学芸部活動の顧問及びコーチは、生徒のバランスのとれた健全な成長の確保の観点から休養を適切に取ることが必要であること、また、過度の練習が生徒の心身に負担を与え、クラブ活動以外の様々な活動に参加する機会を奪うこと等を正しく理解するとともに、生徒の芸術文化等の能力向上や、生涯を通じて芸術文化等に親しむ基礎を培うことができるよう、生徒とコミュニケーションを十分に図り、生徒がバーンアウトすることなく、技能等の向上や大会等での好成績などそれぞれの目標を達成できるよう、分野の特性等を踏まえた合理的でかつ効率的・効果的なトレーニングの積極的な導入等により、休養を適切に取りつつ、短時間で効果が得られる指導を行う。
  3. 運動部活動の顧問及びコーチは、スポーツ医科学の見地からは、トレーニング効果を得るために休養を適切に取ることが必要であること、また、過度の練習がスポーツ障害・外傷のリスクを高め、必ずしも体力・運動能力の向上につながらないこと等を正しく理解するとともに、生徒の体力の向上や、生涯を通じてスポーツに親しむ基礎を培うことができるよう、生徒とコミュニケーションを十分に図り、生徒がバーンアウトすることなく、技能や記録の向上等それぞれの目標を達成できるよう、競技種目の特性等を踏まえた科学的トレーニングの積極的な導入等により、休養を適切に取りつつ、短時間で効果が得られる指導を行う。
  4. 顧問及びコーチは、上記イ、ウに加え、専門的知見を有する保健体育担当の教員や養護教諭等と連携・協力し、発達の個人差や女子の成長期における体と心の状態等に関する正しい知識を得た上で指導を行う。

(2)指導手引の活用

顧問及び指導者は、各分野の関係団体等が作成する、指導手引(競技レベルに応じた1日2時間程度の練習メニュー例と週間、月間、年間での活動スケジュールや、効果的な練習方法、指導上の留意点、安全面の注意事項等から構成、運動部顧問や生徒の活用の利便性に留意した分かりやすいもの)を活用して、Ⅱ(1)に基づく合理的でかつ効率的・効果的な指導を行う。


Ⅳ 適切な休養日等の設定

  1. クラブ活動における休養日及び活動時間については、成長期にある生徒が、教育課程内の活動、クラブ活動、学校外の活動、その他の食事、休養及び睡眠等の生活時間のバランスのとれた生活を送ることができるよう、以下を基準とする。
    • 学期中は、週当たり2日以上の休養日を設ける。(平日は少なくとも1日、土曜日及び日曜日(以下「週末」という。)は少なくとも1日以上を休養日とする。週末に大会参加等で活動した場合は、休養日を他の日に振り替える。)
    • 長期休業中の休養日の設定は、学期中に準じた扱いを行う。また、生徒が十分な休養を取ることができるとともに、クラブ活動以外にも多様な活動を行うことができるよう、ある程度長期の休養期間(オフシーズン)を設ける。
    • 1日の活動時間は、別表2のとおり、平日では2時間程度、土曜日や休業日は3時間程度とし、できるだけ短時間に、合理的でかつ効率的・効果的な活動を行う。
  2. 校長は、上記の基準を踏まえ、各クラブの休養日及び活動時間等を設定し、公表するとともに、各クラブの活動内容を把握し、適宜、指導・是正を行う等、その運用を徹底する。
  3. 定期試験前・試験中の一定期間は、原則としてクラブ活動を行わない。ただし、右期間中に大会、コンクール等がある場合、校長の許可を得て、例外的に活動を行うことができる。

Ⅴ 生徒のニーズを踏まえた環境の整備

(1)生徒のニーズを踏まえたクラブの設置

  1. 校長は、技能、競技力等の向上や大会等での好成績以外にも、友達と楽しめる、適度な頻度で行える等、生徒が参加しやすいような多様なレベルや潜在的なニーズに応じた活動を行うことができるクラブを設置する。
  2. 校長は、より多くの生徒の芸術文化及び運動の機会の創出が図られるよう、季節ごとに異なる活動を行うクラブや、大会志向でなくレクリエーション志向で行う活動、体力つくりを目的とした活動等、生徒が楽しく芸術文化活動に親しみ、又は体を動かす習慣の形成に向けた動機付けとなるような活動も検討する。

(2)地域との連携等

  1. 本校は、生徒が芸術文化等の活動に親しむ機会を充実する観点や、生徒のスポーツ環境の充実の観点から、地域のスポーツ団体との連携、保護者の理解と協力、民間事業者の活用等による、学校と地域が共に子供を育てるという視点に立った、学校と地域が協働・融合した形での地域における持続可能な芸術文化及びスポーツのための環境整備を進める。
  2. 校長は、学校と地域・保護者が共に子供の健全な成長のための教育、芸術文化及びスポーツ活動に親しむ機会の充実を支援するパートナーという考え方の下で、こうした取組を推進することについて、保護者の理解と協力を促す。

Ⅵ 学校単位での大会等への参加について

  1. 本校は、各クラブが参加する大会等や地域からの要請により参加する地域の行事・催し等の全体像を把握し、これらに参加することが、生徒及び顧問並びにコーチの過度な負担とならないよう、参加する大会等の数の上限の目安等を定める。
  2. 校長は、上記アの目安等を踏まえ、生徒の教育上の意義や、生徒や運動部顧問の負担が過度とならないことを考慮して、参加する大会等を精査する。
別表1 鶴友会クラブ活動一覧(コロナ禍以降、活動日が変更)
  クラブ名
学芸部 囲碁          
家庭一般          
演劇        
吹奏楽    
コーラス      
ハンドベル          
筝曲        
茶道        
華道          
書道          
美術・陶芸        
漫画研究          
写真          
手話          
運動部 バスケットボール    
卓球      
新体操      
ソフトテニス    
水泳    
陸上競技    
剣道      
フラダンス      
バトン      
ダンス      
フットサル    
バドミントン        

同好会等

競技かるた同好会          
教科班・英語          
教科班・理科 不定期
教科班・社会 不定期
ハイキング愛好会 不定期
別表2 鶴友会クラブの活動時間
活動開始時間 活動終了時間
(平日)15:30
(土曜日)14:00
17:00